GUTSYTOY

ホーム > Message

多様なメンバー、自由な発想で、GUTSYに

GUTSY with diverse members and free ideas

GUTSYTOYは、ソフビをはじめとするフィギュアの企画を手がけたり、版権を管理したりする会社として2023年に誕生しました。サブカルが生み出す「おもちゃで日本を元気にしたい」、作家のアート作品をソフビ化するなどして「美術品をもっと身近にしたい」、そんな思いを持つ会社です。基軸となるソフビ製品の成形や彩色においては、あたらしい技術の研究開発にも携わります。
ローテクなものづくりを強みとする城南村田グループにあって、非製造業で世界を目指すGUTSYTOY 。代表の青沼純純子が、その会社像について語ります。

● 聞き手・文:みつばち社 小林奈穂子
コミュニケーションデザインを専門とするふたりのユニット、みつばち社の1号。プランナー兼ライター。

  • Profile

    株式会社GUTSYTOY 代表取締役社長 青沼 純子

    1971 年東京都生まれ。早稲田大学卒業後、美術系出版社を経て浮世絵 を取り扱う会社に。入社後3年で結婚を機に退社、子育ての日々を送る 中で海外からの輸入事業を始める。この時期に起業や事業について学ん だことが、現在の事業理念の基礎に。2014 年より(株)城南村田で経 理担当を務め、2023 年GUTSY TOY の社長に就任。常識にとらわれな い事業展開を目標に掲げる。

  • 式会社GUTSYTOY 代表取締役社長 青沼純子

行きがかり上、社長になって

―城南村田グループ初の非製造業で、初の女性の社長ですね。

青沼:行きがかり上、こうなったといいますか。

―行きがかり上。

青沼:元々アートだとか、作家さんの作品には個人的にも興味がありましたが、経営者としては、はい、その通 りです。

―城南村田ホールディングスの青沼隆宏氏が公私のパートナーでいらっしゃいますが、ご自身は10 年近く、城南 村田の経理を担当されていたのだとか。

青沼:はい、ずっと経理担当でした。GUTSY TOY の設立にあたって、青沼が代表を兼ねる選択肢もあったんです よね。目指す企業の性格上、私のほうがマッチするだろうという結論になったわけですが、その過程では、指向 としてもアート系の、高校生の娘の方が私よりさらに合ってるのでは?という話も出たんですよ。

―女子高生社長ですか。

青沼:注目されるでしょうし、ブランド戦略としてもいいのではないかと半ば本気だったのですけど、本人に一 蹴されました。

―ははは。でも青沼さんも、経理畑出身というわけではないのですよね。

青沼:大学を卒業後は、美術専門の出版社や、浮世絵を販売する会社に勤めていました。経理とは無縁でした(笑)。 結婚して、子育てに専念する生活を送っていたのですが、家族経営の宿命ですね、「経理の人が辞めてしまったので」 と言われ、穴を埋めるために城南村田入りしました。そこから足かけ10 年でしょうか。数字なんて苦手でしたが 必要に迫られて勉強して。会社がソフビを取り扱うようになって、新会社を立ち上げようとなったときに、今度 は代表のポストがまわってきたという。

―いつかはご自分も経営者に、というお考えはなかった。

青沼:まったくありませんでした。経理のときもでしたが、やるとなればいい加減にできるものではないので、 勉強して、務まるよういまも努力しているところです。

―城南村田ホールディングスの青沼社長から、「自分にはない能力を持っていて、発想の豊かさなどではかなわな い」とお聞きしています。

青沼:自分とは異なる興味と特性があるからそう見えるんですよね。経験の違いもあるとはいえ、経営に関する 発想の豊かさはあちらのほうが数段上です。青沼は前職でアメリカの大手会計会社にいたこともあって、会社の ことも「数字から全部見えてくる」と言う人なんですよ。私とは全然違います。

―城南村田は、紙にはじまり、プラスチックになり、金属も仲間に入れて、ソフビに参入という、会社として激 しく変化しながら、M&A も繰り返してきた会社ですよね。一貫して数字で見ているから冷静に判断できている のかなと、いま思いました。でも、従業員やご家族の対応力も、なかなかに高度ですよね(笑)。

青沼:おもしろがりでもしないと、とても無理です(笑)。青沼が好きな「Half Serious」に自分も乗って、笑い 話にできなければやれてないですね。城南村田はそうやって変わる時代を乗り越えてきましたし、社会に貢献し たいという意志を絶やさずに持ち続けてきたので、私も引き続き、おもしろいと思いながら頑張るつもりです。

あたらしいものづくりで世界へ

―GUTSY TOY の業務内容に関しては、ご自身の興味の範疇だったのですよね。

青沼:そうですね。専門的な知識を要する版権の管理などは、やはり必要に迫られて勉強を重ねるしかありませ んでしたけど、扱う商材に関しては、興味が自然と増してきました。おもちゃと思っていたものが、実はアート 性を秘めているとわかってきて。日本のオタク文化の産物として捉えられがちですけど、もっとファッションに 近いカルチャーと見なして好きになっている人も多いんですよね。

―コレクターもたくさんいるんですよね。

青沼:はい。色違い、大きさ違いを収集されたり。ソフビフィギュアは工業製品でありながら、一つひとつ微妙 に異なる手作り感があるところも、支持される理由になっています。土人形など玩具由来の民芸品にも通ずるも のを持っていると感じています。

―なるほど。GUTSY TOY は、ソフビの、そんな可能性を見出して、あたらしいものを送り出すあたらしい会社に なりそうです。

青沼:ソフビの専門性はこれからも高めていきたいですが、ソフビだけにとらわれず、作家さんのイメージに対 して再現性の高い作品を企画したいと思っています。ソフビと異素材の組み合わせでも、唯一無二のものづくり に進化させられそうです。海外に目を向ければなおのこと、日本らしい、例えば金箔や螺鈿(らでん:漆器に貝 で装飾を施す伝統技術)を用いて、付加価値の高いものに仕上げたらどうかとか。

―立派なアート作品に仕上がりそう。マーケットが世界だと考えると、一層可能性が広がりますね。

青沼:はい。いつか拠点が持てたらいいなと思っています。海外で販売もしたいし、海外の作家さんとも仕事が したいし、何より私が行きたいです(笑)。

―そこも大事ですよね(笑)。作家性、アート性が高まるほど、製作する側の技術はもちろん、企画する側の知識と、 あと審美眼的なものが必要になって、そうなると、青沼さんが美術を扱う経験をお持ちなのは大きい気がします。

青沼:浮世絵を販売する会社にいたころは、お客さんに浮世絵について解説していました。そのために、作品を 数多く見たり、深く学んだりして、美術作品というものや本物を見る目は、それなりに身についたのではないか と思っています。元来好きなので、時間があるとギャラリーを巡りもしますし、GUTSY TOY に活かせる部分もあ るかなと。

いろんな枠を越えていく、GUTSY な職場に

―スタッフの方は、20~30 代が中心なんですね。

青沼:そうなんです。若いスタッフの感性に触れては、刺激を受けっぱなしです。私が「これカワイイ」と言うと、「ほ んとですね、昭和カワイイ」と返されたりして、もしかして私の現在の感覚には、時代を生きてきた中で生成さ れたレトロフィルターが、自然とかかっているのかと笑っています。その私がカワイイと感じ、20~30 代のスタッ フもカワイイと感じて、娘もカワイイと言ったら、それはもう、売れるものだと判断できますね(笑)。

―流行も繰り返し巡るものですしね。世代を網羅。

青沼:そうです、そうです。見え方は違っても、みんながカワイイ(笑)。そんなふうに、雑談の中から企画が生 まれることもあると思うんですよ。なので、活気ある雰囲気を保つ職場でありたいと思っています。

―スタッフの多様性を強みにやっていきたいとおっしゃっていましたね。

青沼:そのほうが、おもしろいものが生まれやすいと思うんです。規模的にもいずれ20 人程度には成長させて、 いま頑張っているスタッフが後輩を持てるようにしたい。組織として、自ら手を動かすものづくりと、企画の方 のものづくりとを行き来し合いながら、希望があれば城南村田グループ内で移籍するなどしてもいいかな。個性 を持ち寄りながら、年齢性別、バックグラウンド問わず、自由でしなやかでありたい。

―社名の“GUTSY” も、女性の勇気とレジリエンスをテーマにした、ヒラリー・クリントン氏の著書のタイトル にヒントを得たんですもんね。

青沼:そうなんです。私はほんの数年前まで、フェミニズムというものに関心がありませんでした。「そんなに力 まなくても、うまくやればいいじゃない」と思っていたんですね。東大の入学式での、それまでは苦手だと感じ ていた上野千鶴子氏の祝辞が話題になったとき、あれに目を開かされたんです。私こそが女性の敵だったと気 づきました。「時代が変わるのを待っていればいい」と、足を引っ張る私みたいなのがいるから、娘の時代になっ ても変わらなかったんだって。そしてフェミニズムというものは、弱くても、異なっても、当たり前に尊重され てしかるべきという思想であって、多様性の本質もそうだろうと理解しました。気持ちをあらためてやっていこ うと思ったんです。

―お聞きして、「GUTSY TOY」の社名に対する印象に深みが増しました。

青沼:GUTSY は、直訳して「ガッツがある」とすると、ど根性みたいな体育系の印象になって、ニュアンス的に違うんですけどね、うちのスタッフはみんな、前向きに挑戦する勇気とパワーを持っていますし、“GUTSY” です。 これからも、自由な発想で、楽しんでやれる人、GUTSY TOY という場を使って、自分のやりたいことをやってく れる人に、集まってきてもらえる会社にしていきたいです。